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家庭菜園で悩む、接ぎ木苗と自根苗(実生苗) 違いとメリットデメリットとは?

家庭菜園で悩む、接ぎ木苗と自根苗(実生苗) 違いとメリットデメリットとは? 農業・家庭菜園
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久しぶりの更新です。年度末が近づくにつれ、また年度が明ければ仕事が忙しくなり、なんとなくブログの更新が滞ると、それからずるずると更新をしなくなり、気が付けばはや、2カ月・・・。

流石にそろそろ書こう、と思い更新です。

それに、ブログを更新しないと毎日ダラダラ・・・、と生活しているような感覚になってしまうんですよね。

自分の気持ちを引き締める為にもブログの更新は大事だな、と思います。

 

趣味の家庭菜園ですが、4月下旬になってくると、いよいよ夏野菜の苗の定植時期になります。

トマト(ミニトマト)、ナス、ピーマン、キュウリ・・・、と夏に沢山収穫できる野菜が目白押しです。

 

苗をホームセンターや種苗屋に買いに行くと色々な野菜の苗が販売されていますが、よく見ると野菜の苗でも値段が異なる同じ品種のものが販売されているのを目にすることがあります。

よく見ると、苗に書いてある「接ぎ木苗」、「自根苗(実生苗)」という文字。

値段が自根苗の方が接ぎ木苗に比べるとはるかに安いので、安い方を・・・と思いがちですが、結構大きな違いがあるんです。

  

さて、今回は野菜の苗の「接ぎ木苗」と「自根苗(実生苗)」に関する記事を書こうと思います。

 

接ぎ木苗とは

接ぎ木苗とは

 

接ぎ木苗は病気に強い根を持つ植物を台木に使い、その上に本来の品種を接いだ苗です。例えば、通常のトマトやナスを上にして、根を含むその下を別の病気に強い植物にして、くっ付けて苗にしたものです。

 

ケンタウルスで言うと、下半身が台木で上半身がトマトやナスといった品種・・・という感じです。

 

接ぎ木苗を育てると、面白いことに上にくっついている品種の実を収穫することができます。だから、例えばトマトの接ぎ木苗を育てるとトマトを収穫することができます。

 

接ぎ木苗は野菜だけでなく、果樹(ぶどうなど)にも広く使われていて、専業農家であれば接ぎ木苗を使うのは一般的な事です。

 

主に接木苗は夏野菜に多く、トマトや茄子・ピーマン・キュウリ・スイカ・かぼちゃなどの接木苗が売られています。

 

自根苗(実生苗)とは

自根苗とは、接ぎ木苗ではなく、上も台木の部分も同じ品種の接いでいないそのままの苗です。トマトであれば、根の部分も上の部分も全て同じトマトの品種で出来ています。

 

自根苗は挿し木によって増殖されます。例えば、トマトであればトマトの枝を切って、そのまま土に挿すと、挿した部分から根が生えてきて定着します。そうやって挿し木で増やした苗が一般的に「自根苗」と言われます。

 

家庭菜園でトマトを栽培していて、途中で枝を切って土に挿すとそこから成長してさらにそれを苗としてトマトを収穫することもできます。

 

なぜ接ぎ木苗が自根苗よりも優れているのか

なぜ接ぎ木苗が自根苗よりも優れているのか

 

一般的に接ぎ木苗は自根苗に比べて高額で販売されています。もちろん生産に手間がかかっていることがその理由ではありますが、接ぎ木苗には自根苗にはないメリットがあります。

ここでは接ぎ木苗を使用するメリットについて紹介します。

病気や害虫に強い

新しく野菜の品種を作る時は、親品種を交配させ、種を取り、そこから大量に芽を出し、成長させながら生育度合い、病害虫に対する耐性、実の成り方、食味等を確認し、最も優れたものを選抜して品種を作り出します。途方もない時間がかかります。

こういった過程で特定の病害虫に強い品種は出来上がることもありますが、万能ではありません。

そこで、台木に病害虫に強い野生種を使うことで、選抜され作り出された優れた品種に更に病害虫に耐性を持たせて強い苗にすることができます。

 

連作障害に強い

野菜を栽培していると、必ず考えなくてはならない連作障害(連作障害に関する記事はコチラ ⇒ 家庭菜園をする時は連作障害に気を付けよう!)。 

連作障害の原因は土壌中の病害虫、線虫、生理障害等さまざまな要因がありますが、品目によっては一度栽培するとその場所は5~6年間隔をあけないと良く生育しない場合もあります。

そこで、台木に連作障害に対して強い種類を使うことで、連作障害に対しても耐性を持たせることができます。

 

ストレスのある環境下でも良く成長する

野菜の品目によっては、地温が低いと上手く根を張らずに成長しないものもあります。そこで、気温、地温の低い環境下でも強く根を張る品目(カボチャなど)を台木にすることで、ストレスのある環境下でもしっかりと根を張る苗を作ることができます。

 

複数の苗が同じように生育する

自根苗の場合は、病害虫や環境下に対するストレスを接ぎ木苗に比べて受けやすいので、苗による個体差が出やすくなります。そのため、複数の苗を栽培すると力強く生育する苗、ヒョロヒョロと生育する苗が出てくることがあります。

一方で、接ぎ木苗の場合は病害虫などへの耐性を持っているので、どの苗も比較的同じように強く生育させることができます。

 

接ぎ木苗のデメリット

接ぎ木苗は自根苗に比べて生育しやすいといったメリットがありますが、一方でデメリットもあります。それが値段です。

接ぎ木を行う工程があり手間がかかっているので、一般的に接ぎ木苗は自根苗に比べると値段が2~3倍になります。自分が購入している種苗店でも接ぎ木苗は自根苗に比べると大体が2倍程の値段です。

しかし、病害虫耐性など多くのメリットがあるので、やはり接ぎ木苗を使用することをおススメします。

 

良い接ぎ木苗を選ぶ時のポイント

良い接ぎ木苗を選ぶ時のポイント

 

ホームセンターや種苗店で接ぎ木苗を購入する時は、次のポイントに気を付けて元気な苗を購入して家庭菜園で使うようにしましょう。

 

  1. 接ぎ木の部分がしっかり活着している
  2. 根がしっかり張っていてぐらつかない
  3. 茎が太くしっかりしている、ヒョロヒョロしていない
  4. 葉が大きく厚く、きれいな緑色をしている
  5. 病気や害虫がついていない
  6. 苗全体に葉がついている

 

接ぎ木苗で使われている代表的な野菜の品目

接ぎ木苗で使われている代表的な野菜の品目

 

家庭菜園で代表的な野菜の品目で、さらに接ぎ木が幅広く使われているものを紹介します。順調な栽培のためにも接ぎ木苗を使うことをおススメしますよ。

 

トマト(ミニトマト)

トマト(ミニトマト)

 

トマト(ミニトマト)は手軽にたくさん収穫ができるので家庭菜園でも人気の品目ですが、土壌中の病原菌やウィルスなどに大きく影響され、病気も多い野菜の一つでもあります。

 

耐病性を持った台木に接ぎ木することで、青枯病や褐色根腐れ病といった土壌病害に強くなり、美味しいトマトがたくさん収穫できます。

 

キュウリ

キュウリ

 

キュウリは夏場の生育が強く、たくさん収穫ができる人気のツル性の野菜です。病害虫では代表的なものにうどんこ病があります。

また、低温に弱いので、地温が低いとうまく根が伸びていきません。きゅうりでは低温でも根を伸ばしやすいカボチャを台木として使用されています。

 

接ぎ木苗を使うことで病気や低温に強くなり、しっかり根を張り、たくさん収穫をすることができます。

また、最近では接ぎ木を使ったトゲの無い品種、ブルーム(白い粉)のないキュウリの販売もされていますよ。

 

ナス

ナス

 

ナスは夏場にどんどん成り、たくさん収穫ができますが、同時に様々な病害虫に悩まされる野菜でもあります。土壌病害で代表的なものは、半身萎ちょう病や青枯病です。

病害虫に対する耐病性を持った台木を使った接ぎ木苗を栽培することで、たくさん収穫できるようになります。

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スイカ

スイカ

 

スーパー等でも値段が高く、夏場の代表的な野菜(果物?)として人気のスイカ。スイカの栽培は一見難しそうですが、実はプランターでも栽培することができる野菜です。

スイカも泥はね等による病害虫に気を付けなければなりませんが、台木にキュウリ同様、カボチャの品種を接ぐことでつる割れ病に強い苗を作ることができます。

また低温でもしっかり根を伸ばしやすいため、収量もあがります。

 

ユウガオ台木もありますがマグネシウム欠乏症が出やすい例もあるので、発生の少ないカボチャ台木を選ぶようにしましょう。

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接ぎ木苗に関する記事は以上になります。接ぎ木苗は自根苗に比べて値段は高くなりますが、病害虫や環境に対するストレス耐性を持っていて順調に栽培をすることができます。 

家庭菜園だけでなく、農家でも接ぎ木苗を使うことは一般的な事です。 

 

プランターや庭、市民農園で家庭菜園をする時にはしっかりとたくさん収穫できるように接ぎ木苗を使用することをおススメしますよ。

 

本日の記事は以上になります。最後まで読んでいただいて、どうもありがとうございました。

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