3~5月は山菜の季節です。山菜採取って、時期ごとの旬の味覚を収穫して、食べる、というとっても面白い趣味ですよね。
先日、山菜を取りに行った時に、ゼンマイの採取をしてきましたので、ゼンマイの時期や見分け方、アク抜きの方法について分かりやすく記事にしようと思います。
ゼンマイの特徴
ゼンマイは春に出てくる新芽(若芽)を食べる、山菜です。乾燥させた状態のものやパックに入れられた漬物の状態のものはスーパーで売っていることもあるので、目にしたことがある人もいると思います。
また、韓国料理のナムルでゼンマイが使われていることが多いので、そのイメージがある人も多いのではないでしょうか。
新芽は先が丸まって、白っぽい綿状の繊維が被っているものになります。成長とともに先の丸まりがなくなり、繊維も取れてきますが、こうなるとアクが強くなり、また固くなるため食べることができなくなります。
ゼンマイは群生していることが多いので、1つ見つかれば次から次へと見付けることができ、また1つあたりがそれなりに大きいので、たくさん収穫をすることができますよ。
和名/別名 | ぜんまい/ゼンメ、ゼンゴ |
学名 | Osmunda japonica |
分類 | ゼンマイ科ゼンマイ属 |
時期 | 3~6月 |
分布 | 日本全土 |
生えている場所 | 山中の水気の多い斜面など |
形態 | 新芽は先端が丸まり、綿状の繊維を被っている |
食べ方 | 煮物、漬物、和え物、テンプラ、ナムルなど |
ゼンマイの旬の時期
ゼンマイの旬の時期は3~6月ですが、九州から北海道へと北上する毎に、時期が遅くなっていきます。
自分の場合は東海地域の中部ですが、時期的には4月の中旬~下旬頃(遅くても20日過ぎくらいまで)が最もたくさん収穫できる印象です。
また、標高、日当たりによっても多少ズレてくる可能性があります。
実際に採取していて感じるのは男ゼンマイ(胞子葉)が先に生えてきて、7~10日ほど経ってから女ゼンマイ(栄養葉)が生えてくるように感じます。
なお、北海道や東北地域の豪雪地帯では6月頃まで採取することが可能です。
ゼンマイが収穫できる場所と準備する物
ゼンマイは、日当たりが良い所よりも水気の多い湿った場所によく生え、また、山中の沢の付近や斜面などに生えていることが多いです。
ゼンマイを採りに山に入る場合はしっかりと準備を整えておくようにしましょう。
長靴
山中、特に沢の近くなど湿った場所に入りますので、長靴を履いて採取をするようにします。
手袋
木の枝や岩、植物のトゲなどで手を切ってしまうことがあるので、滑り止めの手袋を準備しましょう。
摘粒鋏
ワラビやゼンマイ、コゴミを採取する時には農業用の摘粒鋏が一番使い勝手が良くておススメです。
アウトドアウェア
山菜採取で山に入る時は、場所によっては暑くなること、また急に雨が降ってくることもあるので、帽子、ウェアを準備するようにしましょう。
ゼンマイの採取で注意すること。男ゼンマイと女ゼンマイとは。
ゼンマイは雌雄異株で、オス、メスと別れています。これが、男ゼンマイ(胞子葉)、女ゼンマイ(栄養葉)といわれるものです。
一般的に、女ゼンマイの方が軟らかくて美味しく、男ゼンマイはあまり食しません。
また、男ゼンマイは来年も同じようにその場所にゼンマイが生えるように採取しない、という暗黙のルールがあります。
また、女ゼンマイも取りつくしてしまうと、来年新しく生えてこなくなってしまうので、女ゼンマイも数本は残すようにしなければなりません。
■男ゼンマイ(胞子葉)
女ゼンマイよりも先端が大きくボリュームがあります。また、先端の丸くなっている部分は粒粒で、文字通り胞子の塊です。
■女ゼンマイ(栄養葉)
男ゼンマイよりも先端が小さく、薄くなっています。先端の丸まっている部分は、軟らかい葉になっています。
ゼンマイの下処理・アク抜き方法
ゼンマイの下処理は、まず採取時の切り口を包丁でキレイに切り落とし、綿毛上の繊維を取り除くことから始まります。繊維もアクが強いので、ゴム手袋をはめて取り除くと良いです。
繊維を取り除くのはなかなか時間がかかります。
切り口を揃えて、繊維を取り除いたら、アク抜きの作業に移ります。
アク抜きの方法は3つあります。
- 重曹でアクを抜く方法
- 小麦粉でアクを抜く方法
- 木灰でアクを抜く方法
ワラビなどは小麦粉でもそれなりにアクを抜くことができますが、ゼンマイはアクが強いので重曹を使ってアクを抜く方法をおススメします。
アク抜きの方法は、こちらの記事で細かく書いてあるので、参考にしてみてください。
アク抜きに関する記事:山菜(ゼンマイ・ワラビ等)の簡単アク抜き方法。重曹・小麦粉・木灰でサクッと実践!
アク抜き後のゼンマイとワラビです。
乾燥ゼンマイを作る方法
ゼンマイはアクを抜いた後に乾燥させると長期保存が可能であり、またアク抜き後に少し残ってしまうアクもキレイに抜くことができます。
アク取り後に干さなければならないので、天気の良い日が続くことを確認してから、作業に移りましょう。
- アクを似たゼンマイをザルなどに広げて1時間程度乾燥させます。
- ゼンマイの色が少し変わってきたら、食感をよくするために揉みこみます。
- 1時間おきの 揉み込む→乾燥させる を5回程繰り返します。
- 翌日1日天日干しをして乾燥させて完成です。
乾燥が不十分だと、時期的にもカビが生えてしまうので天日干しに適した晴れの日を狙いましょう。
乾燥させたゼンマイの戻し方
乾燥させたゼンマイを美味しく食べる為には、きちんとした手順で戻すことをおススメします。
- 乾燥ゼンマイをザルにとって洗う
- 洗ったゼンマイをボウルにうつし、水を入れて一晩置く
- 一晩置いたゼンマイの水を切り、鍋にうつして水を入れ、中火にかける
- 沸騰直前で火を止め、鍋の水が冷めるまで置いておく
- お湯が冷めたら、鍋の中のゼンマイを軽くもみ洗いする
- 鍋の水を取り替えて、もう一度同じように中火にかける(4~6をゼンマイが軟らかくなるまで2~3回繰り返す)
- 最後(2~3回目)は沸騰直前で火を止めたら、そのまま一晩置いておく
- 翌日、鍋の水を切って完成
ゼンマイは天ぷらにしても美味しい!
アク抜き後に、乾燥させずに天ぷらにしてみました。採取したゼンマイを3~4本でまとめて天ぷらにしただけというシンプルな料理です。
天つゆは、白だし、醤油、みりん、水で煮て作ります。
さっそく食べてみると・・・
旨い!
ほのかな苦みとゼンマイの香りが合わさって、山菜ならではの美味しさを感じる!
今までゼンマイは乾燥させたものの煮付けや煮物ばかり食べていましたが、新鮮なゼンマイの天ぷらも旬の旨みを感じることができて最高ですよ。
ゼンマイの旬の時期や見分け方、アク抜きに関する記事は以上になります。ゼンマイはワラビなどに比べると少し、本格的な山菜になりますが、少し強めのアクや山菜ならではの風味を味わうことができてハマってしまいますよ!
ぜひ山菜採取でゼンマイを収穫して食べてみてください。
本日の記事は以上になります。最後まで読んでいただいてどうもありがとうございました。
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