【完全ガイド】サツマイモの収穫・保存で「甘さ」を最大限に引き出す追熟の科学と失敗しない方法

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こんにちは、アウトドア大好きブロガーのユウタ(@yu_taok1)です。

 

秋の味覚の王様、サツマイモ。家庭菜園で育てたサツマイモを掘り出す瞬間は、何物にも代えがたい喜びがありますよね。

 

しかし、サツマイモは収穫時期や保存方法を間違えると、「時期を逃して腐らせてしまう」、あるいは「全然甘くならない」という失敗につながります。

 

実は、サツマイモの本当の美味しさは、収穫後の「ひと手間」で決まります。

その秘訣が「追熟(ついじゅく)」です。

 

この記事では、サツマイモのプロが実践する「最高のタイミングでの収穫方法」から、「ねっとりとした甘さを引き出す保存の科学」まで、家庭菜園愛好家が知っておくべき全てを徹底解説します。

 

筆記者ユウタの家庭菜園プロフィール

・小さい頃は家の近くに畑を借りて家庭菜園を行っており、自分も手伝っていた

・母の実家は山梨県の野菜農家(姉の旦那の実家は九州のキュウリ農家)

・大学は農学部。大学卒業後はプランターで野菜作りを始める

・7年前に市民農園を借りて野菜作りを始める

・現在は引っ越したため、近くの農家の方に畑を借りて野菜栽培中(2か所、計200㎡程)

 

ユウタ
ユウタ

キャンプや釣りなどのアウトドア全般が好きです!

野菜は20品種以上の栽培経験があり、仕事の経験から果樹の知識もあります。

 

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目次

失敗しない!サツマイモの収穫時期とタイミングの見極め方

失敗しない!サツマイモの収穫時期とタイミングの見極め方

 

サツマイモの収穫時期は、主に「植え付けからの日数」と「葉の状態」で判断できます。

 

品種別・基本的な収穫時期の目安

サツマイモの収穫は、基本的に植え付けから約4ヶ月後(120日前後)が目安です。

 

品種名植え付け時期(目安)収穫時期(目安)特徴
安納芋5月下旬〜6月上旬9月下旬~12月上旬追熟でねっとり甘くなる人気品種
紅はるか5月下旬〜6月上旬10月~11月上旬非常に高い糖度が特徴
シルクスイート5月下旬〜6月上旬9月下旬~10月なめらかな食感で早めの収穫が目安
鳴門金時5月中旬〜6月上旬8月下旬~11月ホクホク系サツマイモの代表格

 

見た目と天候から収穫時期を見極める

見た目と天候から収穫時期を見極める

 

植え付け日数だけでなく、以下のサインが出たら収穫準備を始めましょう。

 

葉の色が変わる

葉の色が変わる

 

緑色の葉の色が薄くなり、赤や黄色に変色し、しんなり枯れ始めた状態は、サツマイモが十分生長し、地中の芋にしっかりと栄養を送り終えたサインです。

 

霜が降りる前がデッドライン

サツマイモの腐敗を防ぐためにも、霜が降りる前の11月初めまでには必ず収穫を済ませてください。

霜に当たると、芋が傷んで長期保存ができなくなってしまいます。

 

【重要】晴天が2∼3日続いた日を選ぶ

土の中にいるサツマイモの表面が濡れると、そこから劣化が始まり、腐敗の原因になります。

 

収穫は、晴天が2∼3日続いた後の、土が程よく乾燥した日を選びましょう。雨天時や雨天直後の収穫は、絶対に避けてください。

 

最高の甘さを引き出す!サツマイモの収穫方法とコツ

最高の甘さを引き出す!サツマイモの収穫方法とコツ

 

サツマイモ掘りは意外と重労働ですが、以下の手順とコツを押さえれば、芋を傷つけずに効率よく掘り出せます。

 

掘る前の最重要作業「ツル切り」の目的

掘る前の最重要作業「ツル切り」の目的

 

サツマイモを掘る前に、地上のツルと葉を切り取る「ツル切り」は必須です。

 

【ツル切りの目的】

  1. 作業効率の向上: 茂ったツルが邪魔になり、掘り出し作業が困難になるのを防ぐ。
  2. 栄養の逆流阻止: 掘り出す直前にツルを切ることで、芋が持っているデンプンがツルに逆流するのを防ぎ、芋の甘さを保ちます。

 

鎌や剪定バサミを使い、ツルの根元を地上4~5cmほど残して切り取りましょう。

 

【ツル切りに便利な道具】

茂ったツルも簡単に処理できる剪定バサミや、作業効率を上げる電動剪定ツールがあると、家庭菜園の作業が格段に楽になります。

 

芋を傷つけない「試し掘り」と「掘り方」

芋を傷つけない「試し掘り」と「掘り方」

 

試し掘りで大きさを確認する

収穫予定日の1ヶ月ほど前に、必ず試し掘りを1株だけ行いましょう。

 

芋のサイズが20~25cm程度に十分成長していれば本収穫を、まだ小さければ土を戻し、さらに2週間ほど栽培を続けます。この調整が、芋のサイズを均一にする鍵です。

 

慎重な掘り方

株の周りの土を、スコップや鍬で柔らかくするところから始めます。

 

絶対にスコップを深く突き刺さないでください。

芋を傷つけると、そこからカビが生えたり腐りやすくなったりして、保存期間が短くなります。周囲から丁寧に土を掘り起こし、最後は手で土をよけながら芋を傷つけないように引き抜きましょう。

 

【最重要】「甘さ」を作る追熟と保存の科学

【最重要】「甘さ」を作る追熟と保存の科学

 

サツマイモは、収穫したてよりも、正しい条件で保存(追熟)した後の方が格段に甘くなります。

 この追熟こそが、ねっとり甘い焼き芋を作るための最重要プロセスです。

 

追熟(デンプンの糖化)のメカニズム

 

収穫直後のサツマイモのデンプンは、ほとんど甘くありません。

しかし、2∼3週間保存すると、サツマイモが持つ酵素「β-アミラーゼ」がデンプンを分解し始め、甘味成分である「麦芽糖(マルトース)」に変化させます。

これが追熟です。

 

追熟の最適条件

  • 温度: 13℃∼15℃
  • 湿度: 80%∼90%
  • 期間: 2週間〜1ヶ月(品種により異なる)

 

失敗の原因!サツマイモを腐らせる「低温障害」

失敗の原因!サツマイモを腐らせる「低温障害」

 

サツマイモの保存で最も避けなければならないのが低温障害です。

 

貯蔵温度が10~12℃}以下になると、サツマイモの細胞が壊れ始め、皮下に黒い斑点やカビが発生しやすくなります。

家庭菜園でよくある「冬の廊下に置いておいたら腐った」という失敗は、この低温障害が原因です。

 

冷蔵庫での保存は絶対に避けてください。 

 

追熟環境の管理】

正しい温度と湿度を把握するためには、高精度な温湿度計が必須です。特に温度変化の少ない床下収納や玄関などの冷暗所に設置することで、最適な追熟環境を作れます。

 

収穫後の「長期保存」を成功させる具体的な手順(4ステップ)

収穫後の「長期保存」を成功させる具体的な手順(4ステップ)

 

サツマイモを長期間(数ヶ月)美味しく保つための具体的な手順を解説します。

 

天日干し(キュアリング処理)

天日干し(キュアリング処理)

 

収穫後、泥付きのままサツマイモを一つずつ切り離し、2∼3日ほど天日干しをします。

これは、キュアリングと呼ばれる処理で、表面を乾燥させ、傷口があればコルク層を作って塞ぎ、腐敗菌の侵入を防ぐ効果があります。

 

土を払い、さらに日陰干し

土を払い、さらに日陰干し

 

天日干しで表面が乾いたら、優しく手で土を払い落とします。この時点では水洗いはしません。

その後、1週間ほど日陰で干し、さらに余分な水分を抜きます。

 

一つずつ新聞紙で包む

一つずつ新聞紙で包む

 

長期保存の最大のコツは、個別に包んで湿度を調整することです。

サツマイモを一つずつ新聞紙で包み、過剰な水分の吸収を防ぎながら適度な湿度を保ちます。

 

ダンボールと冷暗所で保管

ダンボールと冷暗所で保管

 

新聞紙で包んだサツマイモをダンボールに入れます。

 

  • フタは完全に閉めず、通気用の穴を開けるか、少し開けておく
  • 保管場所は13~15℃の冷暗所」(廊下、床下収納など)

 

農家ではもみ殻を使うこともありますが、家庭ではこのダンボール保存が最も現実的で効果的です。

 

サツマイモ栽培・保存・調理を格上げするおすすめグッズ

サツマイモ栽培・保存・調理を格上げするおすすめグッズ

 

サツマイモを育てて、美味しく食べきるまでの過程で役立つグッズを紹介します。

 

栽培効率を上げる便利グッズ

家庭菜園でのサツマイモ栽培の労力を減らすアイテムです。

 

  • 畝立て・定植: 植え付け作業を楽にするマルチシート(黒いビニールシート)や不織布

 

  • 土壌改良: 質の高い堆肥有機肥料は、芋の味を左右します。

 

 

最高の甘さを引き出す調理器具

 

せっかく追熟で甘くしたサツマイモも、調理方法で味が変わります。ねっとり甘い焼き芋を作るには、低温でじっくり加熱することが重要です。

 

  • 焼き芋鍋/石焼き芋器: 家庭のコンロやカセットコンロで、プロ級の焼き芋が作れます。低温(160℃∼180℃)で加熱し続けることで、酵素の働きが最大化され、さらに甘くなります。

 

  • 鋳物製スキレット: 蓄熱性が高く、サツマイモのポタージュやグラタンを作る際にも、温かさが長く保てます。

 

 

【まとめ】サツマイモの甘さは「時間」と「温度」が作る

【まとめ】サツマイモの甘さは「時間」と「温度」が作る

 

この記事では、サツマイモの収穫時期、掘り方、そして最も重要な追熟について解説しました。

 

サツマイモは収穫したら終わりではありません。

「13℃∼15℃」で2週間〜1ヶ月保存することで、デンプンが糖に変わり、ねっとりとした最高の甘さが生まれます。

 

今年の秋は、この記事を参考に、収穫後のひと手間を大切にして、最高のサツマイモを味わい尽くしてください!

 

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この記事を書いた人

東海地域に住む30代のパパブロガー。
趣味はキャンプ、釣り、山菜採取、天体観測などのアウトドア系がメイン。特にソロキャンプで焚火を見ながらラジオを聴くのが好きです。チェアリングやベランピングもやります。
週末はパソコン、タブレットでカフェ、キャンプ場でブログ書いたりしてます!

コメント

コメント一覧 (1件)

  • はじめてのさつまいも作り、何もかもわからないことばかりでしたが、よくわかりましたありがとうございました。ま

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